産業医から「人事・組織づくり」へ
― ご相談内容の変化
産業医の役割は、健康管理だけではなくなってきました。
以前、産業医へのご相談といえば、
健康診断の事後措置、
長時間労働への対応、
メンタルヘルス、
休職・復職支援など、
健康管理が中心でした。
もちろん、それらは今も重要な役割です。
しかし、ここ数年で、ご相談内容が少しずつ変わってきました。
採用した人が定着しない。
若手が育たない。
管理職をどう育成すればよいか。
健康経営をどう進めればよいか。
一見すると、それぞれ別の課題のように見えます。
しかし、実際に企業の現場に関わっていると、
それらは決して別々の問題ではありません。
採用だけ改善しても、定着しなければ意味がありません。
定着しても、育成の仕組みがなければ戦力にはなりません。
健康管理も、人が安心して働き続けるための土台です。
つまり、採用・定着・育成・健康は、それぞれ独立したテーマではなく、
一つの組織づくりの中でつながっています。
ですので最近は、産業医という立場でありながら、
採用戦略、
定着支援、
人材育成、
組織改善、
健康経営まで含めて、ご相談いただく機会が増えてきました。
産業医の役割が変わったというよりも、
企業が抱える課題そのものが、健康だけでは解決できなくなってきた
のだと思います。
私自身も、
「健康管理を支援する」
という視点だけではなく、
「人が活躍できる組織をつくる」
という視点で仕事を考えるようになりました。
健康だけを見る。
採用だけを見る。
定着だけを見る。
そうした部分最適ではなく、
人と組織を一つの流れとして考えること。
これからの産業医には、
そうした視点がますます求められていくのではないかと感じています。
採用・定着・育成・健康経営。
それぞれを別々に考えるのではなく、
一つの組織づくりとして支援することが、
私たちの役割だと考えています。

